迷い猫が教えてくれた「本当のやさしさ」

個人セッションの振り返りを
ひとつシェアさせてください。

今回ご相談いただいたのは、
9歳の迷い子猫さんのことでした。

半年前まで、お外で暮らしていた猫さんを
妹さんが保護されたそうです。

けれど、先住猫さんとなかなか馴染めず、
お布団におしっこをしてしまうなど、
ストレスと思われる行動が出ていたとのこと。

その後、
「うちの子に」と言ってくださったご友人へ
託されたのですが、

譲渡から数日後、
網戸を破って外へ出てしまい、
そのまま保護できない状態が続いている。

一度は姿を見た。

でも、まだ人馴れもしていない。

保護は簡単ではないかもしれない。

それでも、
もう一度お家に迎えたい。

そんな切実な想いを持って、
セッションにお越しくださいました。

私は、その猫さんに意識を合わせ、
彼女の想いを受け取っていきました。

伝わってきたのは、
とても潔い生き方でした。

その猫さんは、
人間とは一線を引くことを
自分の在り方として選んでいるようなコでした。

現時点では、
お家の中で暮らすことよりも、
お外での暮らしを選択している。

そう感じました。

迷い子猫さん、保護猫さんの中には、
こちらが話しかけても、
まったく応じてくれないコもいます。

プイッとそっぽを向いて、
そのまま立ち去ってしまう。

そして、まるでシャッターを閉めるように、
イメージの世界が真っ暗になり、
しーんと静まり返る。

その後は、無反応。

そんなこともあります。

けれど今回、
その猫さんは、そこまで拒絶はしませんでした。

こちらの言い分も聞いてくれたし、
飼い主さんが、そのコの産んだ仔猫たちを
育ててくれたことへの感謝が伝わってきました。

それはきっと、
飼い主さん側が、

「帰ってきてほしい」

という想いを持ちながらも、
最終的には、その猫さんの気持ちを
大切にする覚悟をされたからだと思います。

帰ってきてほしい。

安全な場所にいてほしい。

危ない目に遭ってほしくない。

その想いは、愛です。

でも、その愛が強く握りしめられすぎると、
動物たちにとっては、
少し重たく感じられることがあります。

「心配だから戻ってきて」

「危ないから家に入って」

「お願いだから捕獲器に入って」

その想いが強ければ強いほど、
自由を愛するコには、
圧のように伝わってしまうことがあるのです。

ですから私は、
その猫さんにこう伝えました。

お外の暮らしが過酷であることは、
アナタがいちばんよく知っているよね。

人間たちは、アナタのことを心配している。

危ない目に遭ってほしくないと思っている。

でも、アナタの気持ちを大切にしたい。

お外がいいなら、それでもいいよ。

アナタの選択を尊重するよ。

そう伝えたとき、
場のエネルギーが少し変わったように感じました。

保護への執着がほどけると、
世界線が変わることがあります。

どうしても捕まえたい。

どうしても家に入れたい。

その握りしめが緩んだとき、
逆に動物の方から距離を縮めてくることもある。

不思議ですが、
動物たちは本当に繊細に、
私たちの内側を感じ取っています。

そして今回、もうひとつ
その猫さんから伝わってきたことがありました。

「クサイ」

そんな感覚です。

何が臭いのか、
さらに意識を向けてみると、
家の中にこもったニオイが伝わってきました。

すぐに、
柔軟剤や洗濯洗剤のような
人工的な香りだと感じました。

飼い主さんに確認すると、
柔軟剤を使っておられるとのこと。

これは、今お家にいる
猫さんのためにも、
少し見直してあげるとよいかもしれませんと
お伝えしました。

私たち人間にとっては、

「いい香り」

「清潔な香り」

「便利なもの」

と感じるものでも、

動物たちにとっては、
身体に負担になることがあります。

柔軟剤、洗濯洗剤、化粧品、整髪料、
香りの強いもの、化学的な香料や成分。

それらが空気中に広がり、
動物たちが吸い込んだり、
皮膚に触れたりしていることがあります。

これまでのセッションでも、
そういったものを見直したことで、
カイカイが落ち着いたり、
毛並みに変化が出たりしたケースを
たくさん見てきました。

もちろん、すべての原因がそこにある、
ということではありません。

けれど、
動物たちは私たちよりずっと低い位置で暮らし、
小さな身体で、
同じ空間の空気を吸っています。

私たちが気づかない香りを、
彼らは全身で受け取っているのです。

これから汗ばむ季節になります。

ドラッグストアには、
香りの強い商品がたくさん並びます。

でも、感覚の細やかな人や動物たちにとっては、
なかなかしんどい季節でもあります。

動物と一緒に暮らすということは、
私たちの利便性を少しだけ、
彼らの快適さに譲ってあげること。

それもまた、
とても深いやさしさだと思うのです。

セッション後、
飼い主さんからこんなご感想をいただきました。

=====

昨日は本当にありがとうございました。

あの子の状況、気持ち、これからして欲しい事を
教えていただき、ただ驚き、凄い!でしたが、
不安から安心できた事が良かったです。

あの子の気持ちを尊重していきたいです。

あと、家の中の環境も、
今いる猫さんの為にも変えていきます。

なぜこうなったのかと言う意味も教えていただき、
自分のこれからの生き方や考え方を
見直す事ができて良かったです。

リカ先生に出会えたご縁に感謝しかありません。

=====

ステキなご感想をありがとうございました。

動物たちは、
言葉を持たないのではありません。

人間の言葉を話さないだけで、
いつもたくさんのことを伝えています。

その声は、

「こうしてほしい」という
お願いであることもあれば、

「ワタシはこう生きたい」という
魂の宣言であることもあります。

今回の猫さんも、
ただ迷子になった猫さんではありませんでした。

人間側の愛の形を問い、
家の中の環境を見直すきっかけをくれ、
そして、

「相手を大切にするとは、
相手を自分の安心の中に閉じ込めることではない」

ということを、
静かに見せてくれているようでした。

ペットの問題は、飼い主へのサイン。

それは、飼い主さんを困らせるためではなく、
もっと深い愛の場所へ案内するためのサインです。

この猫さんが、
これからどんな選択をするのかは、
そのコに委ねるしかありません。

でも、飼い主さんたちの中にあった
不安や執着がほどけ、
猫さんの生き方を尊重する愛へと変わったとき、
すでにひとつの世界は変わっています。

動物たちは、
私たちに生き方を見せてくれる先生です。

小さな身体で、
大きな真実を運んでくる。

その声なき声に耳を澄ませたとき、
私たちの見ている世界も、
姿を変えていくのだと思います。

過去記事も読めます